〇2021年1月16日(土)、第315回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:会場9名、リモート参加21名、計30名)

1. 総会が開催され、三菱電機/鐡見太郎が2020年度総括と2021年度活動方針について説明を行った。2020年度の活動実績及び会計報告、2021年度の活動計画及び予算計画の報告があり、それぞれ承認された。

2. 研究会顧問/芝野広志より新春講演があった。現役時代に品質工学を勉強するきっかけとなった事例の紹介、田口玄一との出会いの経緯、品質工学がどのように成立したかの背景について話された。

                                                                 (㈱村田製作所 芝田 直樹 記)

〇2021年2月5日(金)、第316回研究会を完全リモートで開催した。(出席者: 21名)

今月は3つのWGの2020年活動報告及び2021年活動計画の報告がなされた。

1.「AIとQEの連携WG」では、地震予知等の検討事例を20件程度抽出し、QE(MT)とAIでのそれぞれの有効性を比較検証することとした。2020は地震予知の事例を用いてVOCの抽出、評価指標の探索に取り組んだ。

2.「研究資産整理WG」では,QES事例発表大会でのMT事例約320件の情報(カテゴリー、手法、目的、内容等9項目)の整理、QES事例発表大会での事例のDB化に取り組んでいる。

3.「社会貢献WG」では、2020活動目標を「品質工学の整理を地道に進める」として議論した結果、品質工学を学ぶためのボードゲームの設計に取り組んでいる。

更に「MT活用WG」,「パラメータ設計研究WG」を新たに立ち上げる.

                                                   (コニカミノルタ(株) 西川 智晴 記)

〇2021年3月6日(土)、第317回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にてとリモートで開催した. (出席者:会場10名、リモート参加18名、計28名)

1) 会員/若林治より「一度しかない人生、今を生かされている幸運に感謝」と題して発表があり、金儲けを目的にするのではなく、全ての人の生活の安定のためにお金を使うなど主張と品質工学の関係について議論が行われた。 

2)エクセディ/板倉聡之より「ボンド磁石の成型と評価方法について」と題して発表があった。磁石の成型方法に対する相談であったが、成型条件の前の磁性材料やバインダーなど材料評価や、モータとしての機能評価も必要などの議論が行われた。

3) エクセディ/廣田滉平より「バネ材の接合方法について」と題して発表があった。抵抗溶接の機能の定義、溶接した結果のバネ材の機能の定義、接合手段そのものを変更する案などについての議論が活発に行われた。

                          (三菱電機(株) 森田茂樹 記)

〇2021年4月3日(土)、第318回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:会場6名、リモート参加17名、計23名)1)

1) 会員/中野清より 図書紹介「最新タグチメソッド」中野恵司著 -ロバストデザイン演習問題 アクティブフィルタ回路の安定性確保-」と題して発表があった。書籍の演習問題は、合わせ込みとロバスト設計の違いを強調された内容になっており、一般的な2段階設計の手順とは少し異なることが報告された。また実際にフィルタ回路を評価する際の注意点についても議論が行われた。

2)三菱電機/森田茂樹より「設計効率数値化の考察」と題して発表があった。品質工学による設計効率向上のメカニズムから、実際に設計が効率化されたことを示す数値化の方法についての提案があり、その提案に対する意見や質疑など活発な議論が行われた。

3)相談WGでは、会員から異なる2つの印刷手法の評価方法についての相談があった。白黒の面積率や1ドットの輪郭の評価など、様々なアイデアが提案され活発に議論が行われた。

                                                                             (北陽電機 嶋﨑 庸介 記)

〇2021年5月7日(金)、第319回研究会を完全リモートで開催した。(出席者: 28名)

1)テーマ検討:発表者の希望により、タイトル、議事録なし。

2)テーマ検討:マツダ/吉村孝史より、「マツダのボデー開発部における課題と品質工学活用(機能開発)について」と題して、基本機能を軸とした開発を部内に浸透させるための取り組みについて発表があった。基本機能をエネルギー変換で捉えること、技術を整理することによって、取り組むべき技術課題が明確になり、開発期間の大幅な短縮が可能なことや、お客様へ提供する価値が広がるといったことが報告された。また、自動車の安全設計や、開発テーマ選択の考え方について、活発な議論が行われた。

3)相談WGでは、会員/荘所義弘より、「ベクトル列に対する標準SN比解析の電子写真用現像モジュールのロバスト性評価への応用」(品質工学会誌2021年no.2)の内容について相談があった。トナーの帯電量安定化の評価方法について、妥当性や別の評価方法などについて活発な議論が行われた。

                                                                 (村田機械(株) 川畑 智史 記)

○2021年6月5日(土)、第320回研究会を完全リモートで開催した。(出席者:27名)

(1)テーマ検討:ノーリツ/吉田晶より、「ハイブリット給湯器用凝縮熱交換器の機能性評価方法」と題して、機能性評価を行う際の実験計画について発表があった。

機能の定義では入力エネルギーの設定の工夫点、評価方法ではエネルギー消費効率を評価する方法、ノイズの選定では機能展開からノイズを抽出したこと等が報告され、特にノイズの考え方について活発な議論が行われた。

(2)テーマ検討:シマノ/太田勝之より、「誤圧を用いた文字認識の研究」と題して、重み付け誤圧法(WSD)について発表があった。

重み付け誤圧法の特徴、手順の説明があり、UCIのワインデータ、手書き文字データを使って重み付け誤圧法の有用性が報告された。

(3)相談WGでは、QE実践塾/荘所義弘より、「太陽光発電量の異常検知」の顧客によるパネル評価方法の相談があった。

 様々な評価方法が提案されていて、解析方法やデータのばらつき要因について活発な議論が行われた。

 (コニカミノルタ 西川智晴 記)

〇2021年7月2日(金)、第320回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:会場5名、リモート参加16名、計21名)

1)ASI/田口伸より「ASIにおける3週間のDFSS研修の内容及び,DFSS事例を1件」と題して、DFSS導入について特別講演があった。米国自動車企業による前面衝突性能のDFSS導入事例の紹介がなされ、質疑が活発に行われた。

2)三菱重工業/佐伯より「第29回品質工学研究発表大会事例紹介」と題して報告があった。小松製作所のパラメータ設計によるガス欠陥対策の事例紹介がなされ、評価方法について活発な議論がなされた。

 (㈱村田製作所 芝田 直樹 記)

○2021年8月6日(金)、滋賀・中部・広島・関西での合同品質工学研究会を完全リモートでオープンに開催した。(出席者:55名)

(1)テーマ検討:ハーモニックドライブシステムズ/城越より、「オメガ変換とSN比 加法性の考察」と題して、率値・オッズ値・オメガ変換値の乗法性や加法性の数理、数理から見える評価関数のポテンシャルについての報告があった。特に、経済や技術と評価関数の親和性について活発な議論が行われた。

(2)テーマ検討:AUX JAPAN/北川より、「MT法による異音聴感評価の定量化」と題して、

聴感判定士の聴感に委ねられている聴感評価をMT法で定量化した活動についての報告があった。

特に、官能評価における視覚・聴覚・触覚の影響について活発な議論が行われた。

(3)テーマ検討:リコー/渡辺 ISID/岡より、「人工知能学会参加報告 AIと社会の関わりの調査」と題して、

AIとビジネスのかかわりあい、人工知能学会の活動内容についての報告があった。特に、AIとQEの相互補完、社会動向から見えてくる企業やQEがかかえている問題や課題について活発な議論が行われた。

(4)テーマ検討:マツダ/武重より、「広島での品質工学の展開」と題して、広島品質工学研究会の沿革、そしてモノづくり領域だけでなく幅広い領域での展開事例の紹介があった。特に、社会の中で成功するためのポイントについて活発な議論が行われた。

(KYB 木谷暢秀 記)

○2021年9月4日(土)、第322回研究会を日刊工業新聞社とリモートで開催した. (出席者:リモート参加26名)

1) 早稲田大学教授/永田靖より「第1部 MTシステムの諸性質と改良手法、第2部 パラメータ設計に関する留意点」と題して発表があり、MT法での項目Pの数と、データ数nが【p<<n】の条件から外れると予測バイアスの問題が発生することや、RT法などの項目数の方が30を超える高次元データでは実際のデータは平均(中心)にはほとんど存在せずその周辺に分布する現象などを説明された.またパラメータ設計では望目特性以外は単位の影響を受けるので、SN比の絶対値だけで判断するのではなく、再現実験での利得比較などが有効であることなど、手法を使う上での注意点を説明された。 

2)田井茂(日刊工業新聞社)より「品質.技術ジャーナルのWebサイト立ち上げ」の紹介があった.品質や技術に関心のある方に向けたWebサイトで初回は原先生のインタビュー記事を掲載した・(https://qejournal.main.jp/)

3) 荘所義弘(村田機械)より「小型化したスタタパルトの紹介」と題して発表があった.実験装置の工夫と、望目特性、動特性、標準SN比の3つの方法で集計した時の結果の違いや、その原因についての議論が活発に行われた。

(三菱電機(株) 森田茂樹 記)

○2021年10月8日(金)、品質工学シンポジウム2021(第323回研究会)を日刊工業新聞社とリモートで開催した. (参加者:178名のうち、中部品質工学研究会 10名、滋賀品質工学研究会 8名、広島品質工学研究会 13名、関西品質工学研究会 31名、その他研究会 19名、非会員 93名)

1)基調講演:品質工学会会長 椿広計より「品質工学の学理と実践」と題して、技術哲学と学理を基調とした上で、精神と知の自由度をもった品質工学の魅力について講演があった。人類が直面する社会課題解決に貢献するための品質工学の課題について活発な議論が行われた。

2)招待講演:ニコン/小西洋平より「燃焼~溶融のCAEによる機能性評価と感度調整による試作レス開発プロセスの確立」と題して、数値解析を応用した網羅的かつ効率的な高純度石英ガラス合成プロセスについての講演があった。属人化した経験・知識を解析に落とし込み定量的評価まで実施した事について活発な議論が行われた。

3)発表1:ローム/山中貴光より「パワーMOSFET開発におけるデバイス設計段階からの品質工学的アプローチの適用」と題して、MOSFETのパラメータ設計について発表があった。2つの機能でトレードオフになる制御因子について活発な議論が行われた。

4)発表2:ノーリツ/吉田晶より、ハイブリッド給湯器用凝縮熱交換器の機能性評価方法」と題して、機能性評価を行う際の実験計画について発表があった。誤差因子の割り付け方の妥当性について活発な議論が行われた。

5)発表3:シマノ/井上徹夫より「基本機能による創造的開発の可能性」について発表があった。基本機能を軸とした開発の進め方について活発な議論が行われた。

(村田製作所(株)芝田直樹、KYB(株)木谷暢秀 記)

○2021年11月5日(金)、第324回研究会を会場とリモート併用で開催した。(出席者: 27名)

1)テーマ検討:パナソニック/山口新吾より、「設計における”機能”の概念をまとめてみました」と題して、品質工学と他の設計手法における「機能」や設計プロセスを比較する発表があった。品質工学は機能の定式化(関数関係)を明確に提示しており、その他の手法では抽象的な表現にとどまっていた。基本機能の重要性や難解さを再確認し、基本機能の設定の方法。などについて活発な議論が行われた。

2)テーマ検討:発表者の希望により、タイトル、議事録なし。

3)テーマ検討:マツダ/武重伸秀より、「これまでのSN比の整理とマツダのSN比」と題して、SN比を活用していくための活動について発表があった。SN比はこれまで、さまざまな事例で検討されてきたが、現状は万能な計算方法がない。今後のSN比を活用するための事例の分類、計算例の提示などの活動の方向性について、活発な議論が行われた。

4)テーマ検討:会員/若林治より、「コロナ感染対策から機能、システム開発へ」と題して、感染者の症状に都度対処するモグラたたきではなく、人体の本来の機能を活かした免疫システムの構築や、ウイルスと共生できる社会ついて議論が行われた。

  (村田機械(株) 川畑 智史 記)

〇2021年12月4日(土)、第325回研究会を会場とリモート併用で開催した。(出席者:22名)

1)テーマ検討:会員/若林治より、「温暖化による激甚災害が起こらないことを願う、今まで通りの明日は望めない」と題して、現行の社会システムの改善や対策から新しい社会システムの開発への変換について発表があった。パラダイムシフトが必要であり、ここで無数にある答えの中から最適解をもとめられる品質工学の有用性について活発な議論が行われた。

2)テーマ検討:発表者の希望により、タイトル、議事録なし。

3)テーマ検討:シマノ/山田直彦より、「アルミDC製品 外観向上」と題して、機能性では評価できない外観問題の改善事例ついて発表があった。機能と関係ない外観の最適化方策ついて活発な議論が行われ、この方策を研究していく必要があることが明確になった。

4)テーマ検討:奈良県立大学/鈴木新より、「品質工学関連の話題提供(分類手法)」と題して、因子によって特性を分類する手法について発表があった。逐次分類法やCARTの多重共線について活発な議論が行われた。

                                                               (KYB(株) 木谷 暢秀 記)

What's New

 

 <入会案内> 

随時入会歓迎しています。事前見学も歓迎。

 

<研究会開催日>

 定例会、リモートWGの開催予定をGoogleカレンダー形式で掲載。取り込みも可能です。→予定

 

<品質工学シンポジウム>

2024年10月4日

 

<セミナー情報>

・品質工学会イベント

・日科技連 

・ITEQ 

・日本規格協会

 など

 

<会員専用ページ>

発表予定を更新しました

毎年1月にパスワード変更

忘れた方は問い合わせください 

 

お問合わせはこちらから