○2019年1月19日(土)、第296回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者34名)
1.総会が開催され、三菱電機/鐡見太郎 が2018年総括と2019年活動方針について説明があった。昨年度の活動実績及び会計報告、今年度の活動計画及び予算計画の報告があり、それぞれ承認された。
2.原和彦(顧問)より田口玄一博士の語録についての新春講演があった。田口先生の代表的な語録10個を選出し、品質工学の基本となる考え方を説明された。
3. 手島 昌一(アングルトライ)より「MTシステムはグラフを描くことから始まる」をテーマに胡蝶蘭の黒点改善やイプシロンロケットの事例紹介があった。
4.WG 2019年は相談WG、社会貢献WG、資産整理WG、AI/QE連携WGの4つで活動する事となった。
5.新年会を開催し、引き続き議論を行った。 エクセディ 薮田 大輔 (記)
○2019年2月1日(金)、第297回研究会を今回は移動研究会として住友電気工業株式会社 伊丹製作所にて開催した。(出席者は28名)
1.住友電工テクニカル・トレーニングセンターから住友電工の人材教育の理念、歴史、内容を説明していただき、その後、センター内にある危険体感室で、プレス、回転設備の巻き込み、粉塵爆発、圧空設備の残圧による事故、ヘルメット、保護メガネ着用による身を守る模擬体験をさせていただいた。現場に潜む危険を実物で体感して学ぶことができた。
2.原宣宏(摂南大学)より「表面微細加工によるぬれ性の制御」と題して金属表面の微細構造因子が濡れ性に及ぶ影響をT法(1)で解析した事例報告があった。
3.芝野広志(TM実践塾)より「品質工学の研究(テーマ)とは- 岐路にたつ品質工学-」と題して今の品質工学の課題と今後の品質工学の活動に関する提案があった.
4.相談、社会貢献、資産整理、AI/QE連携の4つのWGに分かれてテーマ活動を行った。
(村田製作所 中野 清 記)
○2019年3月2日(土),第298回関西品質工学研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:33名)
1.村田製作所/中野清より「因子選択におけるT法(1)とLasso回帰の比較」と題して発表があり, 目的特性の予測精度に対して影響の大きい変数を選択する方法について活発な議論がなされた。
2.アルプスアルパイン/貞松伊鶴より「直交表L18と相互作用の研究」と題して講演があり,制御因子間の交互作用やL18直交表の交絡との関係,それらを考慮した実験計画について活発な議論がなされた。
3.三菱電機/鐡見太郎より「企業内研修のあり方検討」と題して発表があり,効果的な研修の設計と人材育成について活発な議論がなされた。
4.北陽電機/嶋﨑庸介より「品質工学の社内推進について」と題して発表があり,品質工学の社内推進状況と今後の展望の紹介,推進向上のための相談があり,活発な議論がなされた。
5.WG活動 1)相談WG, 2)研究資産WG, 3)社会貢献WG, 4)AIとQE連携WG の4グループに分かれ,各グループで活発な議論がなされた。 (株)リコー 渡辺 誠 (記)
○2019年4月6日(土),第299回関西品質工学研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:34名)
1.KYB/木谷暢秀より「CAEの費用対効果の定量的評価方法の相談」と題してCAE推進部門の活動が適切なのかを把握するためにCAEの費用対効果を定量化する方法についての相談があった。
2.若林治より「錠剤の崩壊反応計測方法他」と題して製薬分野で取り組んだ品質工学の活用と評価技術に関する事例の紹介があった。
3.マツダ/武重伸秀より「マツダで実施した企業間交流会の概要」と題して3月にマツダにて開催した企業間交流会の概要についての紹介があった。
4.「相談WG」「社会貢献WG」「AIとQE連携WG」の3のWGにて各WGのテーマに関する議論を行った。
ブラザー工業(株) 加藤 重己 記
○2019年5月10日(金),第300回定例会を日刊工業新聞社大阪支社にて開催した。(出席者:26名)
1)パナソニック/山口新吾より「オンライン品質工学の考究―臨界不良率の整理—」と題して製品検査のサンプリング間隔に関連して臨界不良率を整理した報告があり,活発な議論が行われた。
2) ISID/岡建樹より「機能の分類」と題して物理的な観点で機能の分類を行った結果と、これと基本機能ハンドブック内の分類を比較した提案がなされ、活発な議論が行われた。
3) コニカミノルタ/西川智晴より「在庫コストの最適化」と題してプリント基板を対象に損失関数を用いた最適化の考え方について相談され、議論が活発に行われた。
4) リコー/渡辺誠より「企業交流会に参加して」と題して3月にマツダで開催された企業交流会の報告がなされた。
5)WG活動 1)相談WG,2)AIとQE連携WG,3)研究資産WGの3グループに分かれて各グループで活発な議論が行われた。
村田機械 河島清孝 記)
○2019年6月1日(土)、第301回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:25名)
1. 若林治より「産業革命以降の微生物排除と現代病の歴史、健康を根本から支えている微生物、腸内細菌」というテーマで発表があり、“病気の本当の原因は現代の生活環境が、本来あるべき自然な姿から大きくかけ離れていることにある”、“企業活動などに投資して利益を得た場合、それは社会に還元されなければならない”など、人の健康や経済活動を題材に社会損失の捉え方について議論がなされた。
2. マツダ/武重伸秀より「マツダにおけるMBDの取り組み」と題し、百年に一度と言われる大転換期を迎え、業務変革を進めており、結局は品質管理と品質工学をしっかりやることで大きな変革ができると考え実行していることが紹介され、その考え方について議論がなされた。
3.「相談WG」「AIとQE連携WG」「研究資産整理WG」の3つのWGにて各自のテーマに関する議論や品質工学に関する質疑応答が活発に行われた。 マツダ(株) 武重 伸秀 記)
○2019年7月5日(金),6日(土),第302回関西品質工学研究会(合宿)を「神戸しあわせの村」の研修室にて開催した。(出席者:38名)
1. 北陽電機/嶋﨑庸介より「品質保証の悩みごと相談‐想定外へ挑戦する戦略と戦術‐」と題して、市場トラブルの未然防止策について相談があり活発な議論がなされた。
2. シマノ/太田勝之より「AIと品質工学とその課題」と題して、AIと品質工学の特徴を比較した話題提供があった。
3. ASI/田口伸より「欧米,韓国におけるDFSS(Design For Six Sigma)」と題して、DFSSプロセスの特別講演があり活発な議論がなされた。
4. コニカミノルタ/西川智晴より「研究会資産整理WG」の中間報告があった。
5. リコー/渡辺誠より「AIとQEの連携WG」の中間報告があった。
6. 村田製作所/芝田直樹より「品質工学普及活動の取り組みについて」と題して、品質工学の社内普及策について相談があり活発な議論がなされた。
7. 荘所義弘より「プリンター出力画像の濃度調整方法の検討」と題した話題提供があった。
8. WG活動 1)相談WG, 2)研究資産整理WG, 3)AIとQEの連携WGの3グループに分かれ、各グループで活発な議論がなされた。 (株)リコー 渡辺 誠 (記)
○2019年8月2日(金)、中部・滋賀・関西合同品質工学研究会を草津市立市民交流プラザ(フェリエ南草津)で開催した。(出席者:中部2名、滋賀13名、関西30名 合計45名)
1) ネオス(滋賀)/西本真人より「洗浄機能の機能性評価」と題して、洗浄剤の機能性評価について発表があった。テストピースの汚れ除去量の時間変化の初期傾きを機能とし、誤差として洗剤濃度をとって、再現性の高い結果を得た。汚れの種類を誤差とするアドバイス等の質疑があった。
2) ハーモニックドライブ(中部)/城越敏夫より「減速機の機能性評価 過渡特性の転写性機能」と題して、エネルギー変換と転写性による定常状態と過渡特性の両方で評価した発表があった。トルクのエネルギー変換より角度の時間変化をみた転写性の方が多くの情報を得る結果となった。測定方法に関する質疑があった。
3)ジェダイト(関西)/ 鶴田明三より「エンジニアが成長し、業績が向上する品質工学の進め方」と題して、品質工学を普及しようとしている人向けに、これまでの経験を踏まえた品質工学の進め方について発表があった。
4) ITEQ International(関西)/江平敏治より「品質工学を盛り上げるためには」-RQESの参加人数減を考える」と題して、1993年から2019年までの参加者数について、層別データをもとに減少の分析、活性化の提案がなされた。
5) WG活動 ①相談WG、 ②品質工学活性化WG、 ③歯車及び減速機に関するWG ④T法(1)に関するWGの4グループに分かれ、活発な議論がなされた。
(株)村田製作所 中野 清 (記)
○2019年9月7日(土)第304回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。出席者30名。
1)エクセディ/薮田大輔より「パラメータ設計による画像認識条件の最適化」と題して安定した画像認識が出来る撮影条件について相談があり、システムの入出力特性について活発な議論がなされた。
2)招待講演として、東京工業大学/中村昌充 特別教授より「技術者とは何か ~福島原発事故に見る技術者の行動~」と題した講演があり、東日本大震災の津波が引き金で発生した福島第一原発事故に関する当時の調書を基に振り返り、緊急事態発生時の技術者の在り方や日本とフランスの災害に対するリスクマネジメントの考え方の違いについて活発な議論がなされた。
3)WG活動 ①相談WG、 ②研究資産整理WG、 ③AIとQEの連携WG、④社会貢献WGの4グループに分かれ、テーマごとに活発な議論がなされた。
(株)エクセディ 薮田 大輔(記)
○2019年10月4日(金)、第305回研究会「品質工学シンポジウム2019inおおさか」をCIVI研修センター(新大阪)にて開催した。(関西品質工学研究会出席者:40名、総参加者:114名)
以下の講演,発表,パネルディスカッションを行った.
1)講演「単位空間を動的に生成することによる、機械設備、プラント異常診断の精度向上」
IHI/茂木悠介
2) 発表「IoTの取り組みで分かってきた技術課題解決の難しさ」
エクセディ/薮田大輔
3)講演「若い世代と品質工学を共有した30年間-日本大学非常勤講師を終えて-」
長谷川技術士事務所/長谷川良子
4)講演「AIによる品質・AIの品質~ソフトウエア工学視点からの動向紹介~」
国立情報学研究所 准教授/石川冬樹
5)講演「人工知能の時代とMTシステム ~技術者はAIに職を奪われるのか?~」
アングルトライ(株)代表取締役/手島昌一
6)発表「AI機械学習予測モデルのコンピュータ実験による量産プロセスの許容差設計」
ローム/山中貴光
7)パネルディスカッション「AI/IoTと品質工学の連携で社会問題/技術課題を解く」
パネリスト:国立情報研究所/石川、アングルトライ/手島、ブラザー/加藤
司会:関西品質工学研究会会長/鐡見
ブラザー工業(株)加藤 重己 (記)
○2019年11月1日(金)第306回研究会を日刊工業新聞社大阪支社にて開催した。(出席者23名)
1) リコーテクノロジーズ/杉江直紀より「パンチ穿孔制御のパラメータ設計」と題して発表があり活発な議論がなされた。
2) 村田機械/川畑 智史より発表があり活発な議論がなされた。
3)シマノ/太田勝之より「想定できた「想定外の洪水」」と題して品質工学から見た治水について発表があり、活発な議論がなされた。
4)続けてシマノ/太田勝之より7月の合宿研究会で時間切れになっていた「AIと品質工学とその課題」の続きの発表があり、MTの新たな提案がなされ、活発な議論が交わされた。
5)WG活動 相談WG、 研究資産整理WG、 AIとQEの連携WGの3グループに分かれ、テーマごとに活発な議論がなされた。 村田機械 河島 清孝(記)
○2019年12月7日(土)、第307回研究会を日刊工業新聞社の大阪支社にて開催した。(出席者:30名)
1) 三菱電機/森田茂樹より「ちょっと待て、基本機能のその前に」というテーマで、基本機能を考える前に実施する機能展開のやり方について問題提起され、定量的に展開すること、独立な制御因子を導き出すことの意味、などについて議論がなされた。
2) 和歌山大学/西野佳祐より「製造現場における無人化・検査フリー化を目指した小サンプルに対する統計的手法の開発」と題し、異常判定をする際に外れ値の影響を受け難くするために、MML(Median Median
Line)を活用するとうまくできた、などの報告があった。
3) マツダ/武重伸秀より「自動車産業の課題とMBD活用」と題して、日本の自動車産業の課題は、エネルギー変換効率向上、開発効率の劇的向上、産々/産官学連携の強化、TQM実行力の取戻しの4つであり、いずれもこれまでの品質管理と品質工学に対応の考え方があることが示され、自社で取り組んでいる具体的な事例について報告があった。
4) 本年度の「AIとQE連携」「研究資産整理」「社会貢献」の3つのWGの活動報告と次年度の活動計画について報告がなされた。
5)「相談」「AIとQE連携」「研究資産整理」「社会貢献」の4つのWGにて、各自のテーマに関する議論や次年度の活動計画について議論がなされた。 マツダ(株) 武重 伸秀 (記)