2011年1月15日(土)日刊工業新聞社 10F セミナーA会場にて第200回関西品質工学研究会を開催。出席者合計31名
総会
総会成立宣言
出席27名および委任状22名の合計49名にて会員66名の過半数となり総会が成立したことを宣言し、拍手承認された。
会長挨拶:芝野広志
2010年度活動報告:高木正和拍手承認
2010年度会計報告:清水豊拍手承認
2011年度幹事紹介
芝野会長退任、太田新会長就任を幹事会で承認したことを報告。
退任幹事:平野雅康、鶴田明三、高木正和
継続幹事:荘所義弘、鐡見太郎
新任幹事:原宣宏、高濱正幸、井上 徹夫,木村 哲夫(パナソニック電工)
会長退任挨拶:芝野広志
新会長挨拶:太田勝之
2011年度活動予定:荘所義弘:拍手承認
2011年度予算計画:清水豊:拍手承認
10)会則改定:清水豊
以下の改定提案がなされ拍手承認された。
・第1章 第1条 研究会住所を明記.
・第1章 第2条 事務局を業務委託することについて明記.
2.新春記念講演「全体最適を目指す技術者であれ」 原顧問
最近の企業の生産活動を見ていても,技術者の仕事が細分化されて,システム全体で評価することが欠如しているのが現状。技術者はサラリーマンではなく,マネジメント戦略を考えることが大切。
原顧問のホームページに資料がアップされているので、参考にしていただきたい。
3.グループディスカッション (15:30~17:00)
4つのグループに分かれて、グループディスカッションを実施した
時間の関係で全体討議はなし。
この後、場所を大阪キャスウルホテルに移し、新年会を実施、活発な議論を行った。
以上 (同) オフィスワイ・エス 清水 豊 記
2011年2月4日(金)日刊工業新聞社 10F セミナーA会場にて第201回関西品質工学研究会を開催。出席者合計30名
話題提供「MT法による歯車装置の故障診断」(シマノ:井上徹夫)
日本機械学会、RC241歯車分科会、WG3:歯車装置のメンテナンス、に関わる岡山理科大学滝教授による論文の紹介。圧電式加速度センサーをギアボックスに取り付け、振動計測したデータを用い、MT法によりD2>100程度で異常と判断できることを報告したもの。大量生産品の評価や、異常の閾値について議論がなされた。
事例相談「食器洗浄機洗浄剤の洗浄力評価方法」(ニイタカ:生田直人)
業務用食器洗浄機用の洗浄剤の評価に関する相談。従来は、実際に洗浄機で洗浄して汚れの程度を評価していた。食器の種類、汚れの種類、放置時間等、多くのノイズに直交表に割付ける方法や、洗浄剤自体の評価方法について討議した。
事例相談「コーティング加工に於けるブラスト加工のタグチメソッド適用」(三菱重工:大泉幸介)
金属表面の耐食性向上のために、先ず、アンダーコートを行い、ブラスト加工した後に、トップコートを行っている。この中のブラスト加工についての相談。途中の加工条件のみではなく、最終製品になるまでの評価を行うべきである点や評価特性について討議した。
グループ討議
2010年6月度研究会の田口伸先生からの宿題について、グループに分かれて討議した。
MT研究会 「T法の考え方(SN比の問題、単位空間と信号空間)」(シマノ:太田勝之)
T法でのSN比は、ゼロ点比例式を用いているが、原点次第でSN比は変化し、予測精度の評価には使えない。T法においては、項目、診断のSN比とも基準点比例のSN比の計算を行うべきではないか。それは、エネルギー比型SN比では相関係数(R-sq)と一致する。T法での単位空間、信号データの使い方と、RT法やMT法での単位空間、信号データの使い方は異なるため混乱を招きやすいので、RT法、MT法の「信号データ」を「評価用データ」と呼ぶべきではないかとの議論がなされた。
以上 三菱重工 高濱正幸 記
2011年3月11日(金)日刊工業新聞社 10F セミナーA会場にて第202回関西品質工学研究会を開催。出席者合計31名
事例相談「排水処理システム報告」(ヤンマー: 伊勢村浩司)
廃水を低コストで安定的に処理するシステムの開発を目指している。入力を時間とし出力を汚濁物の残存率として、ガラスフラスコによるテストピース実験を行った。確認実験での推定や再現性についての議論が行われた。
事例相談「溶接部の評価方法」(三菱重工: 寺坂宏介)
溶接条件の最適化のためパラメータ設計を行ったが、最適条件の結果が一番悪かった。これは、試験片の切出しが溶接部全体ではなく溶金部のみから切出したから事が原因ではないかと推測される。試験片と試験方法についての議論が行われた。
問題提起「過渡応答によるロバストネス評価の一考察」(ITEQ: 中野惠司)
アクティブフィルタ回路のロバスト設計において,シミュレーションを活用した過渡応答の評価方法の考察があった。過渡応答での評価は広い周波数を短い範囲のみで確認できる事が大きなメリットであるが、解析データの範囲をどこからどこまで使用するかを良く考える必要がある事が提案された。
事例紹介「欠番直交表を用いたパラメータ設計の進め方と実施例」(コニカミノルタテクノロジー: 芝野広志)
滴下注入技術において滴下精度を向上させたい。L36-12欠番直交表を使用し、29因子から影響度の高い8因子を抽出し、L18直交表による本実験を行った。その結果、滴下精度は大きく改善した。更に効率向上のために、欠番直交表L36-9やL36-4との比較をしていく。
問題提起「リチウム電池の寿命対応」(原和彦顧問)
リチウムイオン電池は、エイジングと呼ばれる初期に充放電を数回繰り返す作業を行う事で充放電の時間が安定する。このエイジングを消費者が行う事について問題の提起があった。
以上 シマノ 井上徹夫 記
2011年4月2日(土)日刊工業新聞社 10F セミナーA会場にて第203回関西品質工学研究会を開催。出席者合計31名
1.事例相談「解析ソフトの選定方法」(荘所義弘)
議事録記載無し。
2.事例相談「電子写真プリンタのプロセス条件検討」(東レ:稲垣潤)
業務用大型電子写真プリンタの印字速度向上のため、基本機能を電界量と現像量の動特性と考え、L18およびL16直交表にて実験を行った。現像トナー量は再現性良好であったが、印字品質特性(順位データ)はいまひとつであった。順位データの取り方や感応評価について議論が行われた。
3.事例相談「MT初めの一歩」(ヤマウチ:加藤敦士)
プリンタ画像形成用ゴムローラ内径の安定性向上のため、材料(粘度等)等の工程データを用い、MT法で単位空間を良品率99%以上のデータとして解析したところ、材料データのSN比が高く、予想と合う結果が得られた。単位空間の取り方、MT法とRT法の使い分け等の議論が行われた。
4.事例相談「ワイヤーボンディング工程へのMT法適用検討」(マクセル精器:近藤真澄)
ICチップのパッド部に金属ワイヤを接合するワイヤーボンディングで、抵抗溶接用ツールの保全タイミングを予測するため電力波形をMT法で解析した。標準偏差が0になった項目を減らした結果、異常データの距離は単位空間との違いが得られた。項目の増やし方、データの処理方法等について議論が行われた。
5.事例相談「積水化学における品質工学の海外展開」(積水化学:佐藤聡)
車等に使用するABS樹脂のシートについて、押出成形の生産量を増やすため段取換え時間の短縮を目的とし、時間と色の関係を基本機能としてL18で色の変化を評価した。海外工場の事例であり、海外特有の取り組み等について議論が行われた。
6.事例相談「PLCのシステムプログラムのデバッグ」(村田機械:鐡見太郎)
繊維機械のシステムプログラムのバグ出しを行った。L36直交表を3枚並べ、高い2因子網羅率により従来は3ケ月のバグ出しが今回は14日でできた。デバック特有の問題点等について議論が行われた。
以上 神戸製鋼 原宣宏 記
2011年5月14日(土)第204回研究会を開催した。出席者は31名。
事例1「吸光分析装置のパラメータ設計」(タツタ電線 鈴木 祥充)
目的は大気中のCO2濃度の測定。ファイバ型CRDSという方式のシステムを選択し、パラメータ設計を企画している段階。目的機能はCO2濃度と計測結果の指示ちだが、実験もこの機能で良いのではないか、誤差は温度や湿度のほかに大気中の他の成分を入れてはどうか、といった議論があった。
事例2「継竿剛性の安定化」(タツタ電線 浦下 清貴)
釣竿を持つ周方向の位置によって剛性が異なってしまうと、フィーリングのクレームとなる。周方向を誤差とした実験が紹介された。周方向の剛性の差は作りこまれたものの素性で決まるので、チューニングの問題ではないか、との議論があった。
事例3「T法およびその改案法の汎化能力の検証」(三菱電機 鶴田 明三)
レーザー溶接その他の課題を題材に、T法とその改案法の汎化能力を検証してみた。改案法はおおむねT法(1)より汎化能力が高いこと、改案法は使い分けが重要そうであること、項目を増加させる改案法は特に汎化能力に劣るわけではないこと、項目選択は必ずしも汎化能力向上に寄与しないことがわかった。
事例4「シミュレーションによる許容差設計の取り組み事例の紹介」(パナソニック電工 木村 哲夫)
ある製品の重要品質項目に対する許容差設計の事例紹介があった。シミュレーション式は、特性値Yと要因X1~X57の回帰式とした。許容差設計のための解析の結果、寄与率60%の要因を特定することができ、これに対処することで工場での直行率を98%にまで改善することができた。
以上 村田機械 鐡見太郎 記
2011年6月10日(金)三菱重工高砂製作所にて第205回研究会を開催した。出席者は42名。
午前中は三菱重工高砂製作所の工場見学を行い、タービン製造過程やMT法を活用している遠隔監視センターを見学。 午後は同会議室にて研究会を行い5事例について活発な議論がされた。
事例1「地震予測と品質工学MTシステムの役割」(アングルトライ 手島)
技術的に予知可能な地震と岩石破壊時のAE波形での評価の関係。それによるMTシステムでの予測について報告があった。
事例2「SN比の定義に関する考察と応用」(マツダ 武重)
新SN比についての地球環境の観点からの考察と、分散の計算時に重み関数を導入により望小特性などもうまく説明できる提案があった。
事例3「 刃物評価を電力計測にして実施した事例」(リコーエレメックス 小玉)
マシニングセンタでの溝加工にて、刃物の寿命を延ばすために電力と切削量で切れ味を評価する実験を行った報告と、ノイズとなる刃物の劣化の方法についての議論と助言があった。
事例4「 モータ絶縁システム信頼性試験への機能性評価適用による評価期間短縮化」(三菱電機 安藤)
モータの絶縁の評価期間が長いため、機能性評価を工夫して22.4%に短縮することに成功した事例について報告があった。
事例5「 近接センサの機能性評価」(村田機械 鐡見)
軸の回転数検出に用いている近接センサの購入でのデジタルでの機能性評価結果の報告があり、アナログでの評価方法や助言が行われた。
以上 シマノ 太田勝之 記
2011年7月1日(金)日刊工業新聞社大阪支社にて第206回研究会を開催した。出席者は43名。
今月は、田口伸先生と立林和夫先生をお招きしご講演を頂いた。また、研究会メンバーからの相談テーマを2テーマ検討し、活発な議論が行われた。終了後には懇親会を開催し、盛り上がった。
田口伸先生ご講演
ASIでは、米国の子供に品質を教える活動〔Q4K=Quality for KIDS〕をノンプロフィット活動にて
実施しておられその活動内容についての紹介と質疑が行われた。また、昨年の来会時に出題された宿題に
ついて、研究会としての回答とそれに関するアドバイスを頂いた。
立林和夫先生ご講演
2011年4月に学会誌に投稿された『「品質工学で用いるSN比の再検討」に関する議論』を基に、
先生の見解とエネルギー比型SN比を提案した関西品質工学研究会メンバーとで、従来型SN比の問題点の
整理、学会の見解の解釈、提案者に求める検討内容など、議論の整理と今後の研究の方向性について講演を
頂いた。
事例1 「品質工学適用効果の金額換算方法」(富士通テン/田畑氏)
マパラメータ設計などの改善効果が金額にどの様に換算できるかを明確にすべく、損失関数を用いて
アプローチした内容の紹介と相談が行われた。
事例2 「品質工学教育教材の検討」(ナブテスコ/福井氏)
社内研修の概要の紹介と研修内容の見直し企画ならびに演習教材についての紹介と相談が行われた。 パナソニック電工 木村哲夫 記
2011年8月6日(土)日刊工業新聞社大阪支社にて第207回研究会を開催した。出席者は30名。
事例1 「主成分法を使ったMT法の有効性」 (東芝電子エンジニアリング/澤田氏)
主成分分析によるMD値算出法では、多重共線性は主成分の固有値が“ゼロ”として現れるので“ゼロ”あるいは小さな固有値をMD値の計算から除外する。これにより、全因子を落とさずにMD値を計算できるので、系全体の異常診断を目的とするMT法での利用に有用であるとの紹介があった。
事例2 「現在のMT法の課題」(シマノ/太田氏)
MT法に共通課題、TS法、T法、RT法の問題点と対策についての議論が行われた。また、エネルギー比型SN比(一般形)の紹介があった。
事例3 「MT法によるスピニングリールのギアフィーリング判定」(シマノ/井上氏)
フェースギア・ピニオンギアの噛合い伝達誤差を計測し、両振幅、歪み、安定性でT法で評価して、フィーリングの評価が出来ると結論付けていた。今回は、その後の製品でのデータ採取による再評価の報告。T法とRT法、MT法の使い分け等の議論がなされた。
事例4 「品質工学の今後の方向性」(マツダ/武重氏)
品質工学のあるべき姿と、普及、商品開発全体の仕組みと道具の整備、公害・使用コスト評価指標の整備の3項目の課題の観点から議論がなされた。
三菱重工 高濱正幸 記
2011年9月10日(土)日刊工業新聞社大阪支社にて第208回研究会を開催した。出席者は30名。
繊維機械の事例(村田機械/一階氏)(10:00~11:00)
相談者の希望により、議事録掲載省略します
繊維機械の事例(村田機械/中山氏)(11:00~12:00)
相談者の希望により、議事録掲載省略します
HAYST法適用事例(三菱重工業/和田氏)(13:10~13:50)
工場出荷後に制御ロジックを変更した場合のバグ検出方法に関して相談があった。従来、制御ロジックの検証方法は設計者の経験に依存していたが、今後は品質工学を適用してシステマティックなバグだしを目指していく。アナログ回路の変更対応に関する方法の議論があった。また、バグ検出率(網羅率)に関する議論があった。
富士通テンでの取り組み及び評価部門でのテーマ(富士通テン/濱田氏)(13:50~15:10)
富士通テンで品質工学に取り組んでいる内容の紹介と評価部門での適用事例2件の紹介があった。
5つの質問項目について議論があった。
マイクロ波加熱検討Ⅱ(村田機械/荘所)(15:20~16:50)
相談者の希望により、議事録掲載省略します
品質工学を如何に教えるかⅢ(コニカミノルタ/芝野氏)(16:10~17:00)
品質工学を如何に教えるかに関する議論があった。品質工学が持つ“三つの顔”心:技術開発論(田口哲学)、技:総合評価法(計測技術)、体:最適化手法(設計手法)を考え、三つの関係は、包含関係でなく、上下関係でもなく、独立な分野と考え、各々を成長させる提案があった
村田機械 荘所義弘 記
第9回関西地区品質工学シンポジウムをコラボしが21の3F大会議室で開催し、一般参加13名を含め89名が参加、講演と事例に対し、活発な意見交換を行った。
特別講演:品質工学会副会長の谷本氏より「東日本大地震と品質工学の役割」として、震災時の様子、復旧状況の報告があり、防災先進国であるはずの日本の技術になにができたか、今後どうすればよいか、複合被災を乗り切るにはといった問題が提起され、品質工学がどのように貢献できるか、日本再生のシナリオが提示された。
招待事例:「金型用工精度加工における評価方法の一考察」日産の大工原氏より対象の加工機の主軸負荷電流の計測・評価を検討したが、取代が小さいため、切削時と無加工時での差が識別できないので、切削抵抗を計測することとした。金型の曲線部が重要と考え、テストピースの形状を直線と曲線で構成し、肉厚を剛性とみなして誤差因子とした。直線部でよければ、曲線部でもよいはず等意見交換があった。事例1:「ワイヤーボンディング工程へのMT法適用」マクセル精器の近藤氏より電子基盤の電極端子に金属ワイヤーを抵抗溶接にて接合する工程で、接合後、電気的検査を行い接合が正常に行われたかを確認している。ツール交換後のツール寿命を予測し、ツールの保全タイミングを見極めたい。ここにMTシステムを活用することで、ツール交換時期を予測できる可能性がみえた。MT法適用以前に工程のパラメータ設計が必要等意見交換があった。事例2:「LED素子の機能性評価」シーシーエスの鹿野氏よりメーカー間で測定の土俵が異なり、仕様書を相対的に比較できない。またメーカーによりデータの信用度も異なるので、信頼性が高い(寿命が長い)ものを採用したいと考え、4メーカーの素子について機能性評価を行った。ロット変動等への対応は等意見交換があった。事例3:「CAEによるヒートローラ強度最適化」村田機械の大矢氏より複合複写機において待機時間での消費電力が最も大きいのは定着部のヒートローラで、これの省エネ化を実現したい。そこで、従来のハロゲンランプによる加熱方式から面状発熱体による加熱方式に変更し、必要な時だけ、加熱するようにしヒートローラの常温時と加熱時で両端固定時のローラのたわみ量を現状のローラと同様にするとして、最適条件で目標へのチューニングを行った。定着の機能はどうなったか等の意見交換があった。事例4:「計画的欠番直交表の概要とパラメータ設計への適用事例」コニカミノルタ芝野氏より欠番直交表はソフトバグの検査効率向上を目的にL36の一部を抜き出し、少ない実験回数で効率よく2信号の組合せ試験ができるように工夫されている。9回の実験で85%の網羅率があるが、直交はしていない等の注意点もある。またパラメータ設計での因子選択に採用した事例が報告され、因子の抽出のために実験するのは効率が悪い等の意見交換があった。講評:関西品質工学研究会顧問の原氏より震災で品質工学について考え、その重要性を再認識した等の話があった。会場を移し、交流会を実施、多数の参加があり、意見交換を行った。
2011年11月5日(土)日刊工業新聞社大阪支社にて第210回研究会を開催した。出席者は35名。
事例1 アルミピロー包装材料のシール性の評価について(小林製薬:國松氏)
相談者の希望により、議事録掲載を省略します。
事例2 T法、RT法、重回帰分析による多次元データの解析(神戸大学:夏木氏)
アルミ缶打検検査による、最適な内圧判定手法の研究についての発表があった。振動データをFFT解析したデータを使用し、重回帰分析法、K近傍法、両側T法、RT法の比較をSN比で行った。解析の結果、重回帰分析はT法よりも良い結果となり、K近傍法ではRT法よりも良い結果となった。これは、解析に使用した未知データを実測データから作り込んだ仮想データを使用しているからではないか等の意見があった。
事例3 「タンクの自動清掃の検討(コニカミノルタサプライズ関西:新谷氏)
相談者の希望により、議事録掲載を省略します。
事例4 岩手大学での品質工学実施事例の紹介(岩手大学:清水氏)
岩手大学で行われている金型技術者育成の取り組みについての紹介と、品質工学事例の報告があった。事例紹介は、加工時の異常検出にMTシステムを適用した事例、ワイヤー放電加工の精度をパラメーター設計により向上させた事例、CAE解析によるプレス加工条件や冷間押出し成形条件をパラメーター設計で最適化した事例の報告があった。
事例5 今後の品質工学の課題と対応Ⅱ(マツダ:武重氏)
技術開発をどのように行っていくべきかについての問題提起があった。品質工学のあるべき姿と技術開発の目指す姿について、過去の管理手法との融合や設計をエネルギー変換で考えるなど様々な提案があり、活発な議論がなされた。
報告1 品質管理学会 第97回研究発表大会への参加報告(三菱電機:鐡見氏)
9月16日に大阪大学の中ノ島サテライトで行われた品質管理学会の研究発表大会への参加報告があった。
シマノ 井上徹夫 記
2011年12月2日(金)日刊工業新聞社大阪支社にて第211回研究会を開催した。出席者は29名。
1.事例相談 巻き取り装置での品質工学適用(パナソニックエレクトロデバイス:桧鼻氏)
相談者の希望により、議事録掲載を省略。
2.事例相談 信頼性向上のためのTM適用方法について(コニカミノルタセンシング:繁永氏)
光学計測機器の駆動部の摩耗に対する耐久性評価に関する相談。目的機能を部品を安定して搬送する事とし、入力に搬送距離、出力を駆動モータの消費電力をとって評価する予定。誤差因子、信号因子のとり方、耐久性を短時間で評価する方法について議論がなされた。
3.グループ討論
4つのグループに分かれてグループ討議を実施した。
時間の都合で全体討議はなし。
4.話題提供 QRG参加報告(三菱電機:鐡見氏)
12/1開催のQRGに、元富士ゼロックスの立林氏がエネルギー比型SN比を題材とした発表をすることになり、提案者側として参加。これまでは議論の対象になっていなかったことを考えると、今回は議論の俎上に上がったことは一歩前進である。大きな反対意見はなかったが、エネルギー比型SN比は田口のSN比の全否定をしているように聞こえる、と言う意見があり、「エネルギー比型も田口式も、二乗和の分解は同じ。エネルギー比型は信号値Mやデータ数nの変な影響を取除いただけで、本質は全く同じ」と説明した。
三菱重工 高濱正幸 記