実験計画法はモデル化が目的なので、モデル化に必要な交互作用を列に割り付ける
しかし、品質工学ではどれか1つの水準を選ぶ最適化が目的であり、選択しない因子間の交互作用を調べることは無意味。従来から変更した水準の組み合わせ効果の有無を知ることは、下流での再現性に重要なので、選択した水準の交互作用の有無は確認実験で確かめる。
技術で大切なのは、早くどの水準を選べば良いかを知ることが目的であり、モデル化は重要ではない。選択しない水準や変更しない因子の効果がわかっても役に立たない。
変更前と変更後の水準の組み合わせの間で、交互作用がなければ良いのである。
確認実験で再現しなければ交互作用が大きいとわかる。
確認実験の再現性は特性値の加法性の確認
交互作用があるから直交表を使った組合せ実験を行うのに、再現したら組合せ実験を行わなくてもよいということ。再現しなかったときこそ、直交実験を使わなければ最適条件が求まらなかったということで価値がある。 制御因子間に交互作用が不明だから直交表による実験をするのである。
特性値とSN比の加法性の有無を調べることが目的
L4の直交表では、1列と2列の交互作用は3列に出現する。
交互作用の大きさを調べたいなら3列には因子を割り付けず2因子だけ割り付けた実験を行う。
3列に因子Cを割り付けた場合、その因子の主効果なのか1列と2列の交互作用なのかが判断できない。
しかし、正しい水準を選ぶことが目的の場合、たとえ交互作用の影響があったとしても結果として正しい水準が選べるなら問題はない。
L4直交表
Run | A | B | C |
1 | 1 | 1 | 1 |
2 | 1 | 2 | 2 |
3 | 2 | 1 | 2 |
4 | 2 | 2 | 1 |
1列に因子A、2列に因子B、3列に因子C を割り付けた場合で検証する。
A×Bの交互作用が小さい場合:Cの主効果で判断すればよいので正しい判断ができる
A×Bの交互作用が大きい場合:
因子Cの主効果が小さい場合:交互作用の影響で反対の水準を選んでも問題ではない
因子Cの主効果が交互作用より大きい場合:正しい水準を選択することになる
因子Cの主効果が交互作用より少し小さい場合
Cの主効果と交互作用の示す水準が同じ場合:正しい水準を選択することになる
Cの主効果と交互作用の示す水準が異なる場合:誤った水準を選択する
因子Cの水準の判断誤りを犯す可能性は意外と低く、大切なのは「できるだけ多くの因子を効率的に調査する」ことで、交互作用の列にも積極的に因子を割り付けるべきと考える。
さらに、水準選択の誤りは確認実験でチェックされる。