技術(Technology)と科学(Science)

「技術」とは、さまざまな目的のために人間が製品やシステムを作ったり利用することで、もともと自然界にはない機能を目的のために創造すること。人工的(Artificilal)なもの。

いっぽう「科学」は自然現象の「調査や探究」が中心で、創造はしない。自然(nature)なもの。

「科学技術」とは、科学の知見を利用した技術で「技術」の一種である。

医療や芸術も目的のために、人工的に創造したものであり、「技術」である。

工芸品など、科学を利用しない技術も多く、「技術」は「科学」とは異なる。

つまり「技術」には目的があり、その達成のためには手段は技術者の自由である。

特に安定性は、科学的な知見では予見は難しく、単純な原理では解決できない。

 

目的機能とは

技術には目的があり、製品は必ずその働きである機能を持っている

その製品本来の目的を目的機能と呼ぶ。

本来、お客さまが欲しいものであり、技術手段やシステムとは関係が無い。

異なるシステム間の評価には、目的機能での評価が必要である。

例えば、自転車は移動が本来の目的であり、安くて楽であれば、徒歩でも自動車でも良いのである。

移動したい距離に対し、少ないエネルギーや低いコストでその距離の移動ができたかどうかで評価する。

目標値に届かなくても、通り過ぎてもまずいので、そのズレがお客様の損失である。

第一にバラツキを小さくすることを考え、次に目標値に合わせる。

 

基本機能とは

お客様の目的機能を実現するための技術的手段となる働き(物理の法則や化学反応など)

前記、楽な移動を達成するために技術者が選んだシステムの機能

したがって、技術者が欲しいものとも言える。

お客様の目的を達成する手段に自転車を選んだ場合、その原理「ペダルの踏力が後輪の回転のエネルギーに変換されるシステム」を、効率的に評価できれば、その上位機能である目的機能が達成できると考えられる。

実際に目的地まで移動した時間を測るより、このようなエネルギー変換を評価した方が開発効率が良い。

 

目的機能と基本機能

お客は、安くて、きれいな画像のテレビがほしいのであり、その方式(液晶やプラズマ)は関係ない。

目的機能は画像であり、お客様の欲しい画像が得られることである。

しかし、それぞれのシステムの技術開発では、画像で評価するより、各システムの電気や光学での評価をした方が効率が良い。ただし、目的機能が常に上位であり、目的と無関係な評価を行っていないかなど、常に目的機能との関係をチェックすべきである。

 

田口先生は21世紀型SN比を提案された時、「SN比による基本機能による機能性評価は中止し、SN比は機能のバラツキにのみに絞り、2段階設計の徹底をすること・・・」と言った。 (2001年品質工学研究発表大会)

この意図は、技術はあくまで手段であり、最終目的はお客様の要求に対するズレ(損失)で評価すべきということである。

したがって、その科学原理の利用の限界(最適条件)を早く知ることは重要であるし、短期間での評価ができることが多い。

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